糖尿病について

私の母は常時血糖値が200mg/dlを越す糖尿病でしたが、転倒骨折して入院する事になり、
初めて私も母の糖尿病をきちんと治そうと決意しました。
まずは糖尿病について徹底的に調べて、どうすれば改善していくのか勉強しました。
3か月の食事療法で、私の母は、ヘモグロビンA1cが9.5から6.4まで現在改善しています。
しかし、糖尿病性網膜症は既に進行しており、もっと早く私がサポートしていたらと後悔しております。
糖尿病はお医者さんに任せておけば自然と治る病気ではありません。
家族が一丸となって自らが主治医という当事者意識を持って初めて治る病気だと思います。
そしてスタートは早ければ早いほど治り易いのです。
それではまずは糖尿病について理解を深めましょう。

 

糖尿病はインスリン作用不足により、慢性的に高血糖状態になる代謝疾患です。
インスリンは体の中で唯一血糖値を下げるホルモンで、食後に血糖値が上がらないように調整する働きが
あります。インスリンは血液中のブドウ糖を細胞に取り入れる作用があります。そして余分な血糖は脂肪細胞に取り入れて蓄積します。いつも体が必要な分だけ食べていれば問題は起きないのですが、飽食によって過剰なカロリーを処理することが長く続くと、インスリンを作る膵臓のβ細胞が疲弊して機能低下して糖尿病が発症します。インスリンが不足すると細胞の中にブドウ糖が取り込まれなくなり、血液中のブドウ糖が使えなくなり、血糖が上がってしまいます。

 

糖尿病には1型と2型があります。

1型糖尿病

 

(1)1型糖尿病

 自己免疫異常により、インスリンを合成する膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンの量が絶対的に足りなくなって、高血糖になります。子供の頃(8〜12歳)に始まることが多く(有病率は1万人に約1人)、生涯インスリン治療が必要になります。

 

2型糖尿病

 

(2)2型糖尿病

 インスリンの出る量が少なくなって起こるものと、肝臓や筋肉などでインスリンの作用をあまり感じなくなるためにブドウ糖が細胞にうまく取り入れられなくなって起こるものがあります。糖尿病の95%以上を占め、40歳以降に起こりやすいタイプです。2型糖尿病は多因子遺伝で家族性で起こります。

2型糖尿病では、過食や肥満、運動不足などの生活習慣の乱れを、食事療法や運動療法で改善することで血糖値は低下します。食事療法や運動療法のみで不十分な場合には、インスリン分泌を刺激する薬剤やインスリン抵抗性を改善する薬剤、ブドウ糖の吸収を遅らせる薬剤が必要になります。

 

 

合併症

 

糖尿病の大きな問題は合併症です。

・もっとも早く出てくる糖尿病神経障害(手足のしびれ、けがの痛みに気付かない等)

皮膚の病気感染症

脳梗塞、脳卒中、心筋梗塞

※糖尿病は高血圧、高脂血症、脂質異常症とリスク要因が重なります。

・糖尿病による腎臓障害で人工透析を始める人が年間1万5000人。

・糖尿病が原因で失明する人が年間3000人。

・年間1万4000人(平成19年人口動態調査)が糖尿病が原因で亡くなっています。

 

平成19年の国民健康・栄養調査では「糖尿病を強く疑われる人」は890万人もいますが、そのうち40%がほとんど治療を受けていないそうです。

 

糖尿病を放置すると非常に危険ですので、まずは検査を受けましょう。

 

 


生活習慣

1型糖尿病の原因は主に遺伝や環境と言われていますが、はっきりした原因は不明です。

 

2型糖尿病の主な原因は、内臓脂肪の増加や運動不足による肥満であると言われています。
長期に渡る過食で膵臓に負担が掛かり、機能が低下することで糖尿病が発症します。
できるだけ早期に、小食に切り替えて適度の運動をすれば、膵臓を休ませることで機能が回復してきます。
しかし、放置して悪化すると深刻な合併症になり治療が困難になります。

 

【糖尿病への進行】※高脂血症や高血圧とリスク要因が重なります。
@栄養の取り過ぎ・運動不足
A脂肪の蓄積=肥満
B脂肪組織の綿維化
C脂肪肝(肝臓に脂肪が蓄積)
D脂質代謝異常(コレステロール値の異常)や耐糖能異常(血糖値の異常)
E動脈硬化
F糖尿病

 

糖尿病のセルフチェック

 

例えば、下記項目で該当するものが多い人ほど、糖尿病の疑いが強いので
まずは自分でチェックしてみましょう。
 
【生活習慣、環境】
・朝食は食べない。
・昼食はラーメン。
・夜食はドカ食い。
・食事時間がバラバラ。
・毎晩晩酌する。
・ゆっくり休めない。
・おやつを食べる。
・揚げ物が好き。
・野菜、海藻類をあまり食べない。
・運動不足。
・40歳以上。
・家族や親戚に糖尿病の人がいる。

 

【症状】
・最近太ってきた。
・食べても痩せる。
・とても喉が渇く。
・おしっこの回数・量が多い。
・おしっこが出にくい。残った感じがする。
・おしっこの臭いが気になる。
・全身がだるい。
・疲れやすい。
・足がむくむ。重い。
・立ちくらみがする。
・肌がかゆい。
・下腹部がかゆい。
・手足がピリピリする。
・視力が落ちた気がする。

血液検査

病院で血液検査する場合は、前日の夕食後から絶食し、朝一番に空腹の状態で静脈血を採取して、酵素法による自動分析器にかけて測定します。

 

糖尿病の人が自己血糖管理に用いる簡易血糖測定器で血糖値を測る(血糖自己測定=SMBG)場合は、指先や耳たぶの毛細血管で測ることが多いです。(簡易血糖測定器の測定センサーは消耗品ですが、薬局で買うと25枚入で3000円位します。朝昼晩測れば月90枚必要になりますので結構高いです。韓国からの個人輸入代理店を利用すると割安です。)

 

血糖値は採取する血液によっても異なります。
動脈や毛細血管での血糖値は静脈よりも10〜20mg/dl高くなるので、自分で血糖値を測ると
病院で測った血糖値よりも少しは高くなるでしょう。

 

血糖値

 

健康な人の基準値
空腹時血糖…70〜109mg/dl
食後2時間血糖…140mg/dl未満
食事をとると、炭水化物が吸収され、ブドウ糖となって血液中に出てくるので、食後の血糖値は食前よりも高くなります。健康な人でも一日の血糖値は70〜130mg/dlの間を変動しており、食事の前と後では大きな差があります。
 
糖尿病の基準
・早朝空腹時血糖値が126mg/dl以上、または食後血糖値が200mg/dl以上であれば、糖尿病の疑いが濃厚です。その場合はブドウ糖負荷検査(GTT)、併せて血中インスリン活性検査を行ないます。正常型・境界型・糖尿病型の判定を行ない、糖尿病型であれば、合併症の有無を調べるため、眼底検査や尿タンパク、神経の検査も受けます。

 

【HbA1c(グリコヘモグロビン)とは
HbA1cは赤血球の中で体内に酸素を運ぶ役目のヘモグロビンと、血液中のブドウ糖が結合したものです。
糖化ヘモグロビンともいい、血糖値が高いほどグリコヘモグロビンが形成されてやすくなりますので、糖尿病の人では血液中に顕著な増加がみられます。
ヘモグロビンの寿命は約4ヶ月であるため、HbA1cの値を調べれば、過去1〜2ヶ月の血糖の平均的な状態を知ることができます
通常は、糖尿病を治療している人の血糖コントロールの様子を知るために実施されています。
血糖値が検査前の食事や飲酒、検査の時間によって常に変動するのに対し、HbA1cは過去1〜2か月の平均値なので安定しています。
一般的に最も用いられているHPLC法(高速液体クロマトグラフィ法)では4.3〜5.8%が基準値となっています。検査直前に大食しても絶食しても、正常ならこの範囲を超えることはありません。
血糖値が糖尿病型の場合、HbA1cが6.5%以上か、糖尿病の典型的症状(多飲、多尿、口渇、体重減少)か糖尿病性網膜症があれば、糖尿病と診断されます。

食事療法

肥満を改善すると、将来の様々な病気を予防することにもなり、非常に経済的です。
朝何を食べて、どんな過ごし方をしたのかが昼の血糖値に現れます。
ただ血糖値の測定結果だけに一喜一憂していては測定する意味がありません。
例えば昼の血糖値が高い時は、原因は何か?を午前中の食事と活動内容を振り返って反省する必要があります。
これを続けていくと、自分の体調・バイオリズムに合った食事メニューが見えてくると思います。
それを一人でなく、家族と楽しみながら続けていくことが必要です。

 

血糖値コントロール

 

その毎日の積み重ねが病院検査のHbA1cの数値(2か月の平均値)で分かります。
HbA1cが上昇しているのならば家庭での血糖値コントロールは出来ていないことになります。
HbA1cは6.5を超えて放置すると体への負荷が大きく、合併症などのリスクも高くなるので危険です。
家庭で血糖値コントロールが出来ない場合は、入院して血糖値コントロールする必要が出てきます。
そうならないように、家族が一緒になって考えてサポートしていきましょう。

 

栄養素の中で、「炭水化物」が体内でブドウ糖になりますので、炭水化物の量を従来よりも減らしていくと血糖値も徐々に下がってきます。小食を継続していけば体重も減らしながらHbA1cも徐々に下がってきます。また、インスリンが血中のブドウ糖を細胞に取り入れる際には、インスリンが細胞の受容体に結合する必要があります。この時に働くGTF(グルコーストレランスフアクター)を作る材料は三価クロムです。三価クロムは未精製穀物、豆類、野菜、レバーなどに微量に含まれます。
小食にする際は、インスリンの生産や代謝に必要なミネラル、ビタミン、ファイトケミカルなどの微量栄養素が豊富な玄米植物食が適しています。また、玄米をお粥にすると更に効果は早いです。
GI値(吸収し易さをブドウ糖を100としてどれくらいかを数値で示したもの)が小さい(吸収がゆっくり)食物を摂取しましょう。

 

【GI値の比較表】
・ブドウ糖100
・食パン95
・精白米88
・うどん85
・ジャガイモ95
・とうもろこし75
・かぼちゃ75
・玄米55
・パスタ(全粒粉)50
・牛肉49
・豚肉48
・おかゆ(玄米)47
・オレンジジュース46
・ソーセージ46
・鶏肉45
・牡蠣45
・ゴボウ45
・豆腐43
・アジ40
・マグロ40
・トマト40
・りんご38
・納豆33
・グレープフルーツ31
・玉葱30
・イチゴ29
・えのき29
・エリンギ28
・大根26
・キャベツ26
・なす25
・もやし22
・ひじき19
・昆布17
・ほうれん草15
 

 

肥満対策として重要なのがまずは食べ過ぎないこと、次に運動です。

 

運動すると細胞内にグルコーストランスポーター4(糖担体)が増えて、血液中のブドウ糖を細胞内に取り入れるのを増やしますから糖尿の改善になります。

 

筋肉はカロリーを消費する主力ですので、運動で筋肉を付けることが重要です。

 

肥満は摂取カロリーから消費カロリーを引いた残りは脂肪になりますので、筋肉を使って消費を増やせば痩せます。

 

しかし、食べ過ぎたカロリーを運動で消費するには大変な運動量が必要です。

 

例えばショートケーキ1個を食べるとそれを消費するためには、90分の散歩と腕立て背筋各150回の運動量が必要になります。小食を継続して、30分程度の散歩(近所に買物に行く程度)を習慣化しましょう。

 

 

 

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