私の姉の旦那の妹の子供が自閉症と知り、自閉症にも向き合う事になりました。
私の関心は「どうしたら自閉症は改善するのか?」ということですが、
調べても調べても「自閉症は治らない」というのが主流の見方の様で、
このテーマを掘り下げるのは止めようかと諦めかけました。
しかし、あの天才アインシュタインも幼い時は学習障害だったという話は有名ですし、
そういう観点からこのテーマを掘り下げている人はいないかを調べました。
すると、「エジソン・アインシュタインスクール協会」設立者の鈴木昭平著作の本に出合いました。
身近な大切な人が自閉症である人には是非一度読んでいただきたいです。

鈴木昭平氏のプロフィール

1950年生まれ。76年横浜国立大学大学院経営学研究科修士科終了。経営学修士。同年4月より同大学大学院研究生。
ジャスコを経て常磐大学職員、常盤学園短期大学学内講師、桜美林短期大学、産能短大、日本航空高校、国土交通省・住宅産業研修財団などの師を務める。(・・・・・ここまでは無関係ですが、「経営学」の分野でも十分身を立てられたエリートだという事は分かります。別に書かなくても良い事ですが、著者は大学教育から幼児教育へ転向するのに初めは葛藤があった様です。
しかし、知的障害児が劇的な改善を遂げていき、自分の使命を感じるに至った様です。)
1998年より幼児教育に携わり、2008年までに30人以上の知的障害児が劇的な改善を遂げる。
その指導法を広げるべく、2009年に一般社会法人エジソン・アインシュタインスクール協会を設立。
「鈴木メソッドは特許でなく、指導法であるから、少しでも世に広めて役立てたい」という趣旨ですから、
本サイトで紹介することは著者の意に反しないと思います。
著書(・・・・本のタイトル名はパッとしませんが、内容は素晴らしいと思います。)
『子どもの脳にいいこと』
『やっぱりすごい?新・子どもの脳にいいこと』
『DVD知的障害児は天才性を秘めている!』
『ひかり速読法』
『実戦・成功脳のつくり方』
『マイナス2歳からの子育て』

『子どもの脳にいいこと』

まえがきより 『すべての知的障害児は普通どころか天才になれる可能性さえ秘めている
          これは私が20年近く知的障害児の教育指導にかかわり実際に成果を上げてきた
          実績から申し上げていることです。』

 

鈴木メソッドの3つの柱
@お母さんの意識改革
A血流・血液状態の改善
B高速学習

@お母さんの意識改革

知的障害児のお母さんは、子供の能力や将来を悲観して暗い顔をしている人がとても多いです。
まずはお母さんが意識を変えて下さい自分の子どもは他に抜きん出て優秀であるのだと意識転換した上で、しっかりお子さんと向き合って下さい。お母さんの意識次第で子どもは驚くほど変わります。
 意識を変えるためには自ら意識的に目線を上にすることが大事です。上を意識するとそれだけでも気分も上向くし、体が軽くなります。胸を張ると酸素もたくさん入るので健康にもいいです。
 目線の次は「笑顔」です。子どもと接する時は笑顔がなにより大事です。
特に敏感な知的障害児には絶対に余計なストレスをかけてはいけないのです。知的障害児を育てるのはとても大変で、普通児よりも多く注意したり、指導したりしなくてはいけないことも多いでしょう。
 しかし、「神経回路」が出来ていないのに叱ったり注意をしたりしてもまったく無駄なこと。ましては暗い顔で怒るのは子どもに恐怖でストレスを与えているだけです
 言葉も大切です。お子さんをよくしたかったら、マイナスの言葉はやめて、プラスの言葉を心掛けて下さい。プラスの言葉を使うとなによりも自分が元気になってきます。
 「目線」「笑顔」「言葉遣い」を意識して演技を続ければ自然と身に付き、本物になります。「名女優」になって下さい。
そしても大事です。子どもを思う気持ち、希望に満ちた未来を思い描く気持ちが音になったものが愛の言葉です。そういう言葉は決して低い音になりません。自然と高い音になります。音階でいうと「ラ」の音です。試しに、「笑顔」と「愛の音」で絵本を読んでみてあげてください。子どもは喜んで絵本に集中します。教育において、お母さんは最高の先生なのです。どうか笑顔で、愛の言葉を語り掛けて下さい。

A血流・血液状態の改善

知的障害児は右脳の過剰発達により緊張し易く、表情もこわばっていて、体も硬い子が非常に多いです。
子どもの血流をよくしてあげれば、リラックスができて、学習効果も上がります。そこで編み出したのが
「パワーアップ体操」です。パワーアップ体操は親子で行って下さい。
健康だけにいいでなく、意識も前向きに変わります。
・足を肩幅程度に広げて立ちます。肩の力は抜きましょう。
・両腕を心臓よりも高く上げて、前に5〜10回グルグル回します。
・両腕をたらして肩と腕の力を抜き、腕を体から少し離して、手首をできるだけ高速に10秒間、
 ブルブル振ってください。指先がジーンとしびれてくるはずです。
・次にさらに加速して、猛烈に10秒間、手首を振ります。
 指先に膜を張ったような感覚があったら完了です。この指先に薄い膜が張ったような状態は
 血流が非常によくなった状態です。

 

次に大切なことは、脳に必要な栄養素をしっかり補給することです。
知的障害児は左脳が未発達であり、脳の発達に必要な栄養素とは「レシチン」と「糖鎖」なのです。
各細胞の外側に糖鎖が、内側にレシチンがあって、それぞれが体に不可欠な働きをしています。
この2つの栄養素を補給して、血流体操で血流をよくすることで、知的障害児の学習が飛躍的に進歩します。
脳の神経細胞の先端にはシナプスというスイッチ装置があり、このシナプスが接合部分となって神経細胞と連絡を取り合い、情報交換し合っています。シナプスの働きによって、神経細胞が次々とつながり、そのつながりが多くなるほど脳は発達するのです。このシナプスにおける連絡の取り合いに必要な物質が「神経伝達物質」
のアセチルコリンであり、その前駆体が「レシチン」なのです。
「糖鎖」は「細胞間のコミュニケーション・ツール」として細胞を健全に保つために必要です。
糖鎖とレシチンは脳を高性能化するエネルギーの素なのです。
この2つが多く含まれる食品は以下の通りです。
大豆、乳製品、海藻、アロエ、うなぎ、穀物や果物の皮、カニの殻、エビの甲羅、ツバメの巣など。
栄養素は食品から摂るのが理想的ですが、限界がありますので、サプリメントを活用しましょう。
栄養バランスのとれた食事と、腸の健康状態をよくする必要があります。
腸の健康のためには悪玉菌を減らし、善玉菌を増やすことが大事です。
善玉菌の代表が「ビフィズス菌」ですが、「フラクト・オリゴ糖」はこのビフィズス菌の栄養となり、
増殖に貢献しますので重要です。フラクト・オリゴ糖は食物繊維の豊富な野菜に含まれます。
子どもが野菜を食べない場合は、フラクト・オリゴ糖のシロップ(さとうきび原料とした100%純粋のもの)を利用しましょう。
最後に、酸素をしっかり取り入れることが、脳の発達に、機能向上に欠かせません。
1日に数回「深呼吸」(腹式呼吸)しましょう。酸素の補給には「酸素ジュース」もいいです。

B右脳を刺激する高速学習

「高速学習」というと、なにか特別な教育法のように感じるかもしれませんが、難しいことではありません。
文字通り、早いスピードで入力を行うという、それだけのことです。
私が考える基礎概念は全部で16個ありますが、時代の趨勢とともに少しずつ変えています。
@色A図形B大小C数と数字D量E空間認識F比較G順序H時間Iお金JひらがなKカタカナLアルファベットM音N足し算九九O掛け算九九
【高速学習の注意点】
a)教材を用意する。あらゆるものが教材になりえますが、私がいつも使うのは絵カードです。
 身の回りの物の絵を、言葉を添えてフラッシュのように見せるだけです。
 日常生活でも高速学習は出来ます。例えば公園に行った時は「あれは滑り台」「これはブランコ」「ここは砂場」とどんどん目に
 付いたものを指さしながら入力します。「はい、歩こうね」「滑り台に上がろうね」などど、行動を言葉にして、全部「実況中継」
 するのです。映像と音でどんどん入力してください。なるべく手で触らせて、五感を使いながら、入力すると定着しやすくなり  ます。
b)絵カードは必ず声に出して読む。
 音と絵を連携させることが重要です。スピードは子どもの目を見ながら速度を調整します。
 子どもの目が泳ぐようなら、それはスピードが遅くて合っていないのです。
 年齢が小さければ小さいほど速くする必要があります。
 いろいろ速度を変えていって、子どもの目が泳がず、カードに集中したら、その速度こそが
 その子にちょうどいい速度です。集中しているときは体も動きません。
 落ち着いて座っていられない、1回見ただけで席を立ってしまうのは1回見ただけで頭に入っているから
 です。カードのフラッシュは1枚1秒もかからないくらいでいいのです。
 その子に合わせたスピードの調整こそが、高速学習の最大のポイントです。だから、子どもをよく観察して
いるお母さんにしか出来ません。集団教育もできないし、DVDなどの機械音による指導も出来ません。
c)余計な説明や確認は不要
 入力に余計な説明や確認は必要ありません。最初はどんどん高速でカードを読み上げながら、一通りめくったらそれで
 おしまいです。そのつど単語を子どもに反復していわせるようなことはしてはいけません。まためくった後に、「では黄色は
 どれ?」などと聞くのも基本的には止めて下さい。
 ただし、何回もこの作業を行って、「確実に入ったかな?」と思ったら、遊び感覚で確認をしてみてもいいでしょう。
d)楽しく行う。
高速学習はいつ、どれだけ行えばいいのかということですが、時間がとれるなら朝、昼、晩行って下さい。
時間がとれなければ朝、晩でもいいでしょう。
行う時間は子どもが集中しているなら、どれだけ行っても結構ですが、嫌がるのを無理にやらせるのはダメです。
無理をせず、親子で楽しんでやるのが最大のコツです。お母さんも鏡で笑顔を確認して、ニコニコ笑顔で行って下さい。
学習は時間をとって教えるだけでなく、日常生活の中に組み込んで教えることも大事です。左脳が未発達な知的障害児は、
神経回路を作りさえすれば出来るようになりますので、1つでも多くの神経回路を作るように専念して下さい。
また、絵カードでも同じ物ばかり見せると、それが固定化されてしまうので、「生きた知識」となるように変化を付けて下さい。
初めから落ち着いて座っている子は珍しいです。最初は、1人で楽しそうに音楽をかけて、絵カードを高速で読み上げてめくっていきます。子どもはうろうろしていても耳で聞いています。最初は見向きをしなくても、続けているうちに、チラッとでも見るようになります。続けて下さい。最後には必ず座って一緒にカードを見るようになります。ほかの物に興味を移らせないためにも学習を行う部屋には何も置かない方がいいです。
言葉が出ない子どもに対しても同じように絵カードを入力し辛抱強く行って下さい。奇声しか出なかった子どもも、絵カードを
読み上げながらめくっているうちに「言葉」を認識するようになります。

 

 

16項目の入力方法

@色
 最初は「赤」「青」「黄」の3色から始めます。カードは1枚1色でカードを塗りつぶした物を使用して下さい。
 1枚に2色以上入れると、子どもの脳が混乱してしまいます。カードをめくりながら「赤」「青」「黄色」と読み上げていきます。 
 赤、青、黄の3色が確実に入ったら、次は虹色の7色、パステルカラーまでどんどん幅を広げていってください。
 私の教室では120色覚えた子もいました。これは右脳が発達しているからできるワザであり、普通児でここまで覚える子はいません。ですから私(鈴木氏)は知的障害児は誰もが天才性を秘めているといっているのです。
A図形 
 丸、三角、四角から教えます。この3つが基本形だからです。カードを作る場合は、丸い形なら、お日様、タイヤ、ドーナッツなど。
 三角ならばおにぎり、お山、ピラミッドなど。四角ならハンカチ、電車、トラックなど。
 この3つが確実に入ったら、ひし形、台形、五角形、六角形など色んな形を入力してみましょう。図形の場合は、図形をはめ込むパズルもお薦めです。手先の運動にもなります。パズルのピースは子どもが持ちやすいようにつまみがあるとよいでしょう。
 まずは、丸のピースを出して「はい、これは丸よ」と教えます。次に、「では丸の形のところにこれを入れてね」と言って入れさせます。できなかったら「じゃ、今日はお母さんがやてあげるね」と言って丸の形にピースを埋めます。要は「丸」という音=サウンドと形をリンクさせることによって「脳の神経回路」が形成できればよいのです。同じように三角、四角も行います。この作業を何回か繰り返して、図形の認識が出来たかなと思ったら、確認作業をしてみましょう。ピースを3つおいて「この中から三角形を取ってください」といいます。これも手が伸びなくても、目が三角形にいけば認識できている証拠となります。できたら拍手をして喜んであげてください。知的障害児の教育では100倍ほめる気持ちでやってください。それが子どものやる気を引き出す最大のコツなのです。
B大小
「大きい」「小さい」という概念も脳の神経回路ができないことには認識できません。これはカードを使わなくても家にあるものなら何でもOKです。たとえばお父さんの靴と子どもの靴を指して「こっちは大きい」「こっちは小さい」などと教えます。 
大きいお皿、小さいお皿など、目に付いたものは何でも使えます。十分に大小を認識できたかなと思ったら、大小の差のあるものを出して「どっちが大きい?」と聞きます。大きい方に目がいったらOKです。それができるようになったら、今度は「大中小」を教えます。大小という概念を教えるときに気をつけてほしいのは「高い、低い」と一緒にしないことです。私たち大人もよく「A君はB君よりも大きいね」などと、身長の高低と混用してしまっています。ここはきちんと区別して教えてください。
ちなみに、「高い低い」は「積み木」を使って教えてください。慣れてくると、順番や比較と連携できるでしょう。
C数と数字
数は抽象的な概念なので、数を教えるのは意外と難しいです。
カードに1から5までのドット(小さな丸点)を書きます。シールを利用してもいいでしょう。
裏には数字を書きます。最初は「1」「2」「3」と高速入力します。また「0」は無で何もないことも教えます。
3まで覚えられたら次は5までを行います。
5まで出来たら「合成」という概念を教えます。2と3を合わせる5になるというようにカードを見せながら説明します。
大事なのは数の合成という概念なのです。5の次は10、次は15まで。15なら9と6、あるいは8と7から出来ているという
組み合わせを教えていきます。20くらいまで行くと、足し算、引き算ができるようになります。
これを続けると計算力が飛躍的にアップします。
D量
量の多い少ないを教えます。このとき、数と一緒にしないように注意してください。分かり易いのはコップを2つ用意して
多い少ないを教えることです。
E空間認識
自分を中心に右、左、前、後ろ、上、下を教えます。最初は左右から。子どもの右手を「右」、左手を触って「左」と教えましょう。
この空間認識をさせるときは必ず子どもと同じ側(隣)に立って教えることです。前後ろを教える時は、何かを手に持って、本人の前に出して「前」、本人の後ろに出して「後ろ」と教えます。上、下も同様です。
理解が進んだら「家の中、外」「箱の中、外」という概念も教えて下さい。
F比較
数、量という概念を覚え始めたら、日常生活でも比較の概念を使ってみてください。例えば買物の最中でも「これはこれよりも大きいね」とか「車は自転車よりも速いよね」とか「お母さんはあなたよりも背が高い」など。「より〜」という概念を覚えると知能はぐんと伸びます。
G順序
1番目、2番目、3番目という順序の概念を教えます。
慣れてきたら「このぬいぐるみは、前から2番目で後ろから3番目」などと数え方も教えます。
それができたら「では、このうさぎさんを一番前に置いてみて」「2番目にしてみて」というように子どもに並べさせて下さい。
積み木を積み上げて、「下から1番目、2番目」「上から2番目」などと上下の序列を教えるのもいいでしょう。
H時間
時計のおもちゃを用意して下さい。
針を動かして「これは1時、2時、3時」と教えます。
あとは生活に合わせて、「3時だからおやつにしましょう」「今日は7時に夜ご飯を食べようね」「8時だよ、寝ようね」などと
時間を教えていきます。これを続けることによって生活のリズムを覚えることができます。
時間の概念が身についてきたら「今から1時間後」「2時間後」という概念も教えて下さい。
時計の読み方を教えるのは通常、小学2年生からですが、こうやって日常生活の中で体感させながら教えれば、就学前でも
時計が読めるようになります。
Iお金
お金は社会生活を営む際に必要になるものですから、しっかり教えておきたい概念です。
まずテーブルの上に5円、10円、50円、100円などの硬貨と1000円札、5千円札、1万円札を置いて「これはお金という
もので、このお金でいろいろなものを買うんだよ」と教えます。
次に実際にお金を持たせてみます。お金に馴染みが出てきたら「5円と5円で10円になる」という組み合わせを教えるようにします。そして、実際にお店に買物に行ったときに本人に払わせるようにします。自分で払うことによってお金に興味をもちますし、
お金を出さないと品物が貰えないということが体験的に理解できます。
Jひらがな
ひらがなが読めるようになると、子どもの知識世界はぐんと広がります。
ひらがなのカードを用意して下さい。最初は「あ、い、う、え、お」から教えます。このとき、「あ、い、う、え、お」のつく単語も
一緒に入力するといいのです。「あ」をカードで示した後で、「これから『あ』のつく言葉を3ついいますよ。あり、あひる、あめ」と
教えます。「あいうえお」が入力できたら、「かきくけこ」、「さしすせそ」、「たちつてと」と進めます。
Kカタカナ
ひらがなと同じ方法で進めます。
Lアルファベット
ひらがな、カタカナと同じ方法で入力します。英単語についても簡単な単語を入力するといいでしょう。生活の中でも
「ありはant」とか「今食べているのはapple」、「向うからdogが来るよ」というように教えてあげましょう。英語が苦手なお母さんも努力をして下さい。世界に通用する人材を育てるため、英語はやっておいた方がいいと思います。
M音
ピアノなどで「ドレミファソラシド」と歌いながら音階を教えたり、音楽のCDやDVDを使います。これも英語と同じように、入力したようにしか出力しないので、手本は上手い方がよいですが、お母さんの声が一番いいのです。歌が苦手なお母さんも努力して下さい。
N足し算九九
カードと音声で繰り返し脳に入力します。式を表に、答えを裏にしてひっくり返して見せる。音楽を活用して高速に81枚のパターンを入力します。
O掛け算九九
足し算九九と同じ方法で進めます。

 

これ以外にも、天気(マーク)、カレンダー(月日)、地図記号、動物、植物なんでも結構です。どんどん入力してみてください。

 

 

 

我慢を覚えさせる

知的障害児の教育において、非常に大事なことが「我慢を覚えさせる」ことです。
我慢するということは、学校生活・社会生活における基礎となる能力です。子どもにとって、
人の話を聞くことも、座っていることも、すべて我慢ですから。
ところが左脳が発達していない知的障害児、特に多動の子どもは、この「我慢」することができないのです。
子どもに「我慢する」「座って待つ」という回路が出来ていないからです。
初めに「我慢する」回路を作らないといけないのです。
まず、子どもが興味を引きそうなおもちゃを用意して下さい。
それを目の前に見せて「ほしい?」と聞きます。子どもがほしいという意思を示したら
「あげるから、ちょっと待っててね」と言って、3つ数えます。「1,2,3」と3つ数えたら
「はい、どうぞ」と言ってあげるのです。そして「よく待ってたね!」と言ってほめてあげます。
子どもがおもちゃを少し触ったら、「はい、1回返して」と言って返してもらいます。子どもが返してくれないときは
他の事に意識を向けたりして、しばらくして返してもらいます。無理に取り上げてはダメです。
次は5つ数えて、同じように「じゃい、どうぞ」と言って渡します。5つ数えるまで待てたら「わあ、待てた」と言って
盛大にほめてあげてください。それを5から10まで続けます。続けられそうだったら20まで続けてください。
このとき、「1,2,3,4,5」と言いながら手をたたくと我慢がしやすくなります。
これは楽しく待つことを覚えさせる学習なのです。「待てばおもちゃがもらえる」「待っていればなにかいいことがある」ということが分かっていれば、子どもはワクワクして楽しく待つ事ができるのです。これが回路が出来るという事なのです。自分が待てたということをお母さんがニコニコして喜んでいるということが「脳の神経回路」の形成を助けます。「座って待っていればお母さんに抱っこしてもらえる」でもよいです。
子どもが少しでも我慢ができたり、静かに待つ事ができたら、すかさず「前より我慢強くなってきたね」と言って
笑顔でほめてあげて下さい。続けていくうちに、子どもは「待つ」ということが分かってきます。これができてくると落ち着きにつながるのです。
子どもが何かを訴えても、お母さんが手が離せなくてすぐに対応できない場合もあります。
こういう時「ちょっと待ってね」「あとからね」と言っても、なかなか思考の切り替えが出来ないものです。
ただし、「あとからね」「ちょっと待ってて」と言って子どもを我慢させたら、後から必ずしてあげることが大事です。それが子どもとの「信頼関係」を築くということです。約束は実行してあげなければなりません。期待して
待っていたのに、結局叶わなかったというのでは、せっかく子どもが覚えた「楽しく待つ」ということが崩壊して
しまいます。もしも約束が守れなかった場合には、後から「ごめんね」と言って子どもにちゃんと謝って下さい。
最近の子どもは物を大事にしません。おもちゃを買ってあげてもすぐに手に入ってしまったら飽きるのが早いのも当然です。まず子どもが欲しがるおもちゃをすぐ買い与えたらダメです。「ではいつ買いましょうね」と先延ばしにします。それまでの間に、親子で毎日そのおもちゃの夢を楽しく語るのです。「どんなことして遊ぼうか?」「おでかけに持って行こうね」などなど。そうやって夢を語っていれば、そのおもちゃは「夢付きのおもちゃ」になります。夢付きのおもちゃを子どもはずっと大事にします。
知的障害児はお母さんに抱っこされるのを嫌がる子が意外に多いです。これはそれまでの人生でお母さんから強いショックを受けたと考えられます。もちろんお母さんが故意にしたのではなくても、胎児・幼児にとっては
「強いショック」だったと考えられます。潜在意識でお母さんを怖がっている場合もあります。
しかし、子どもが嫌がっても抱っこをしてあげて下さい。必死で抱っこするのです。優しい気持ちでゆっくり微笑みながら「あなたはいい子ね」と3回繰り返しながら、しっかり抱っこしてあげて下さい。抱っこをすれば、お母さんの体温が伝わって血流がよくなります。抱っこの目安は8秒前後です。もちろん、子どもが喜ぶのであれば
もっと抱っこしていてもかまいません。愛情のガソリンが満タンになるまでしっかり抱っこしてあげて下さい。
寝る時もお母さんが抱っこして、できれば同じ寝具で包まれて寝て下さい。知的障害児は感覚が鋭いために
人一倍孤独感を感じているケースが多いです。孤独を癒すのは抱っこが一番です。

 

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